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特撮やらプリキュアの感想を書いています。たまに雑談あり。

特撮番組総括 の記事一覧

仮面ライダー鎧武総括

2014.09.28 (Sun)
仮面ライダー鎧武総括


鎧武をオススメする人
・エロゲばっかりやってる人
・虚淵玄の作風が好きな人
・深夜アニメばっかり見てる人
・中二病な人
・その場のノリに合わせられる人
・ニトロプラスの作風が好きな人
・ノリ重視な人
・井上敏樹(?)
・正義の味方が嫌いな人
・仮面ライダーが嫌いな人
・特撮ヒーロー物が嫌いな人
・反社会的思想またはそれに近いものを抱いている人


鎧武をオススメしない人
・上記の条件に何一つ該当しない人
・仮面ライダーを真っ当に愛している人
・まっとうな特撮番組をみたい人
・所謂「正義の味方」が好きな人
・深夜アニメが嫌いな人
・虚淵玄が嫌いな人
・ニトロプラスが嫌いな人
・井上敏樹のファン(?)
・高遠るい
・武富健治
・千葉市市長




良かった点

・トッキュウコラボ回とキカイダーコラボ回
まっとうなヒーローがまっとうに協力して悪と戦う、まっとうな企画でした。
特にキカイダー回は人情噺で泣けましたよ・・・

・ザック
最初こそクズでしたが、その後はちゃんと街や仲間を守るため戦う意思は一貫していました。
彼こそこの作品の真のヒーローだったと言えるでしょう。

・戦極博士
彼は気の狂ったマッドサイエンティストの役をしっかりこなしていたと思います。
これも青木さんの怪演があったからでしょう。
個人的にプリキュアの妖精と楽しく遊ぶ(医学的な意味で)SSはお気に入りです(笑)

・デュデュオンシュ
裏切りや策謀やキチガイや無気力の渦巻くオーバーロード達の中で、唯一の清涼剤が彼でした。
仲間の死に憤り、仇を取ろうとする男らしさ。
最期がガードベントにされたのも悲しくて素晴らしい。王蛇思い出しましたよw

・デザイン
いつもの武部作品よろしく、デザインは良逸でした。果実という難しいモチーフを上手に取り入れられたデザインだったと思います。
また、怪人のデザインも秀逸でしたね。

・役者のアクション
佃井さん、佐野さんの時折見せる華麗なアクションはカッコよかったです。
アクションだけをまとめてDVDにしたら売れそうですよねw



悪かった点(上以外全部に決まってんじゃんwww)

・不快な主人公
正直、ライダーどころか特撮史上最も最低な主人公だったと思います。
涼村暁が聖人に見えるレベルで酷かったです。

・インベスゲームが危険と分かったのに、その後も止めるどころかノリノリでゲームに参加
・知り合いを危険人物の囮にする
・しかもそのことを謝らないし、被害者(初瀬)はそれが発端となってその後死ぬ
・(街崩壊後も残ってくれた)阪東さんが作ってくれたカレーを無神経にも残す
・大罪(殺人)を犯した(※当時の認識)ミッチを簡単に許すなど、やたら身内に甘い
・阪東さんにツケを貯めまくる
・祐也はともかく初瀬の死を忘れたかのような言動
・インベスと森を移住させたのはいいが、何故か自分達まで移住し、責任から逃げ出す
・特に殺す必然性もないのに戒斗をムッコロした


・・・こんな主人公、どう好きになれと? 
正直無理でした。意図的にやってるのだとしても、子供番組でそれをやる意図が理解できません。

・不快な登場人物
残念ながら、ライダーは(改心後の)ザックと戦極博士以外好きになれる人が全くおりませんでした。

戒斗はツンデレなのかくちだけ君なのか基地外なのかよくわかんなかったですし。どうもってきたいのか、方向性が分かりませんでした。(ただし春映画の戒斗さんは好き)
ミッチはクズ過ぎてもう無理です。そもそもなんで舞が好きなのかも、紘汰をしたってたのかも、全然描かれてないから共感さえできない。
貴虎兄さんは比較的マシでしたが、中二病台詞とか諦観で動く辺りが気に入りません。
シドは大人という言葉を盾にして逃げるクズで死に様も悪役として情けなさすぎる。
湊さんは美人ですけど、実質タダのコウモリ女。生身アクションは評価してますけど。
城乃内と鳳蓮さんは改心以降はそこまで嫌いじゃないですけど、その過程がちっとも描かれてないから好きにはなれません。(まぁザックも然りですが)
初瀬ちゃんは中の人はブレイドが好きだから、中の人『は』好きです。ぶっちゃけ初瀬ちゃんにはかわいそう以外の感情が浮かんできません。黒影トルーパーも同上。

ライダー以外でも、おんなじです。
舞さんは脚本家曰くツンデレらしいですが、男(紘汰)を甘やかしてダメにする女というのが私の印象です。
阪東さんはゴローちゃん補正があったから一応見れましたが、別に好きじゃないです(嫌いでもないです)
ペコは「なにお前、急に善人ヅラしてんの?」って感じでしたし(まぁザックも然りですが)。
ただ、チャッキーリカラット晶さんジロー辺りはマトモでしたね。


・不快な脚本(家)
本編を見る限り、ただただ虚淵氏はヒーローを馬鹿にしたいのだと言う意図しか感じられませんでした。
無能で流されるだけの主人公、何故か肯定される悪役、意味不明な言動をするサブキャラなど。
そもそも、ロシュォの件とか序盤の貴虎襲撃とか、普通に話し合えば分かることにもかかわらず、なぜ自ら状況を悪化させる言動に走るのか理解できませんでした。
あと、露骨なウィザードDisはどうにかなんなかったのかと。


しかし、噂で聞く発言を聞く限り、虚淵氏は役者を何だと思ってるのでしょうか? 
井上敏樹やきだつよしみたいに役者と綿密な話し合いをしてるようにも見えませんし、身勝手な脚本を前半は通させましたし。
役者も脚本も一丸となって協力し合い、支えあって作るのが特撮番組だと思ってましたが、どうやら違うようですね。彼にとっては。

・不快なセリフ回し
「希望病原菌」発言のような前作を露骨に馬鹿にしたセリフと言い、
「大人がどうの~」と言うセリフと言い、よくもまぁここまで人を不快にするセリフが頻発するものかと。


・食事シーン
終盤で姉の手料理が食べられなくなったことを嘆く紘汰。
このシーン自体は良いですし、実際食べるシーンもあったのですが、それにしてもいかんせん少なすぎでした。
終盤の展開に持っていくなら、序盤で姉との食事シーンをもっと入れるべきでした。
と言うか、この作品って食事シーンに工夫がないんですよ。
カブトみたいに毎週美味そうな朝飯を見せるわけでもない。
マベちゃんやライトみたいに、美味しそうにメシを食べるわけでもない。
555みたいに雰囲気を象徴する演出としても機能していない。
食事関連でよかったのはよりによってキカイダー回の料理する場面くらいしか思い浮かばないです。他にあったら誰か教えてください。

加えて、ヘルヘイムの実の不味そうな描写。
アレを食べるシーンもすごく品がなくて食欲をなくしますし、色自体が気持ち悪いンですよね。
逆に言えば森の不気味さを演出することは成功してたんですが、日曜の朝に朝食を食べる気をなくす物を放映し続けたのは、いかがなものかと思われます。

・マナーの悪いファンとアンチ
当ブログにも、時たま突撃してくる信者がいらっしゃいました。
それどころか批判意見を見れば即削除、批判はダメみたいな空気を作って一切許さない。
鎧武に肯定的な掲示板はだいたいこんな感じだったと思います。
もっとも、鎧武アンチもアンチで売り言葉に買い言葉と、大概でしたけどね。
これは私自身にも言えることであり、此処で改めまして戒めとして申し上げます。


・怪人の扱いが悪い
ライダーといえば怪人。
しかし、この作品で怪人の存在意義とはなんだったのでしょうか?
オーバーロードも場を引っ掻き回しただけで、ロシュオが果実を舞に埋め込む以外は殆ど意味がなかったです。
デェムシュなんてただちょっと強いだけ(カチドキで十分倒せそうなレベル)の怪人ですし。
龍騎でも確かに怪人(ミラーモンスター)は脇役気味でしたが、EPISODE FINALのラストやテレビ版終盤などのように、一貫して人類に対する脅威として描かれてました。また、エネルギーを与えるルールのため、倒す必然性もありました。そもそも契約モンスターはライダーに力を与える重要な存在でした。
一方、インベスやオーバーロードはいかがでしょう?
インベスはロックシードさえあれば基本は言うこと聞きますし(間違ってたらごめんなさい)。
オーバーロードもレデュエデェムシュ以外は話し合えば分かり合えそうな雰囲気があります。正直脅威度は低く感ぜられました。
後述しますが、「怪人になる恐怖」はあっても、実際の「怪人の脅威」が描かれてない分説得力不足でした。


・インベス化の恐怖(森の恐怖)演出が足りない

確かにインベス化し、人としての体と心を失うのは、「恐怖」の一つとして描かれました。
しかし、作中で明確にインベス化した名有りの登場人物は、祐也と初瀬を除くと戒斗さんだけ。
しかも戒斗さんは特別な存在になって、意思も失いませんでした。
これではインベス化の「恐怖」演出が足りません。
晶さんやラットなど、実を食ってインベス化する人をもっと出した方が良かったと思います。
子供が怖がるという言い訳は受け付けません。
その子供が怖がる演出(鏡の中に引きずり込まれる、灰になる)を龍騎や555は最期までやりました。
二期平成ライダーでさえ、氷漬けにされた人がバラバラに砕け散ったり、実姉を殺す場面があったり、サイコパスの大量殺人描写があったりします。
最期人間の姿をした怪物が塵になる映像は、ウィザードでも流れました。
現実に存在しないインベス化くらい、放送倫理的にも充分可能でしょうに。

ただし、これは必ずしも脚本家だけの責任ではないかもしれません。
自重した可能性もありますし、映像スタッフの工夫の無さが原因かもしれません。

・最大の問題(サガラ)が置き去りになっている
結局、これは何も解決してないんですよね。今後、新たな危険を巻き起こす可能性があるにも関わらず。
アギトや剣も、根本的には神や統制者を倒せませんでしたが、決して元凶の被害を放置するという事はしませんでした。
アギトは、氷川さんと芦原さんと翔一が人の力を見せつけて神に抗議。
剣は、剣崎がアンデッド化し運命と戦い続けることで対処。

そもそも石ノ森章太郎先生の原作「幻魔大戦」「サイボーグ009」を見ればわかりますが、
石ノ森ヒーローというのは誰であれ、

「たとえ勝てるかどうかわからない強大なる『神』でも、人々を苦しめる理不尽な存在に敢然と立ち向かう者」

という定義があるように思われます。
アギトも龍騎もブレイドもディケイド(此方はちょっと事情が異なりますが)も、いずれも理不尽な存在に立ち向かっていたと思います。

総評下の下、以下ですね

下の下、以下ですね。

特撮史上最低最悪の作品でした。
これに匹敵するのは「ぶきみくん」か「実写版デビルマン」くらいのものでしょう。

それにしてもクウガ~555の、平成ライダー初期を勘違いした人間の多いことには呆れましたよ。
「欝展開」「ライダーバトル」「シリアスな人間ドラマ」

こればかりがこれらの作品の味だと思ってらっしゃる方の多いことやら・・・。

違うでしょ。それだけだったら、そのへんの昼ドラでもできます。
仮面ライダーでやる必要なんてない。
クウガ・アギト・龍騎・555の、この四作の本当の魅力はこれじゃない。

それは、
「理不尽な世界や状況に陥っても、
人として大事なもの、心の強さや優しさを捨てなかった者達の、美しさや哀しさ、儚さや切なさ」
でしょう。

理不尽な殺人によって涙を流す人を見たくないから戦うと決意した五代雄介、
悩みつつも人のためアギトのため戦い続けた主夫の翔一くん、
苦悩し続けるも死ぬまで人を守るため戦い続けた真司、
誰かを死なせないために、迷いを振り切り同族殺しの罪を背負い続けることを誓った巧。

誰も彼もが美しかったです。
この点を理解してない馬鹿が増えたから、鎧武みたいな駄作以下の作品ができたわけですよ。

あと、公然と公の場で鎧武を批判した

高遠るい氏(本人のブログで)、武富健治氏(仮面ライダーEX02で)、千葉市市長(Twitterで。厳密には批判したわけじゃありませんが)

この三氏にはこの場をお借りして敬意を評したいと思います。

最後に一言。

武部直美と虚淵玄は二度と特撮に戻ってくんな!!

この特撮を、仮面ライダーを穢した馬鹿どもが!!


薔薇社長的な仮面ライダー鎧武の評価


・デザイン:上の上ですね。果実を取り入れた武者デザインは見事でした。

・主人公:下の下以下ですね。こんな奴が、ドライブやウィザードのとなりにいるだけで腹たちます。

・その他のキャラクター:下の下以下ですね。ザック以外好きになれる人物が一人もいませんでした。

・アクション:中の中でしたね。泥臭いアクションがなく、辟易しました。佃井さんや佐野さんの生身アクションが良かったです。

・脚本:下の下以下ですね。不快なセリフ回し、行き当たりばったりのグダグダ脚本。
評価する価値もありません。

・総評:下の下、以下ですね!





ベスト5
1.トッキュウコラボ回)
2.30話(キカイダーコラボ回。紘汰さんの優しさが泣けます)
3.33話(デュデュオンシュがガードベントされた回)
4.最終回(遅すぎる城乃内の覚醒)
5.17話(ビートライダーズ和解の話。ナックルとバロンが良かった)

ワースト5
1.46話(元凶放置、現実から逃げる紘汰達など・・・)
2.11話(初瀬を囮にして酷い目に合わせるという最低な行為をやらかした紘汰)
3.35話(ミッチの希望病原菌発言)
4.23話(カチドキならぬ、カチコミアームズ)
5.33話(無双シーンがつまらない、唐突なグリドン達の改心が意味不明)

その他オススメ回
・45話(の戦闘シーン)
・32話
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仮面ライダークウガ総括

2014.07.15 (Tue)
仮面ライダークウガをオススメできる人

・正統派ヒーロー物が見たい人
・熱いヒーロー物が見たい人
・泥臭いアクションが見たい人
・刑事ドラマ的なヒーローものが見たい人
・リアルなストーリーを見たい人
・子供向けヒーローなんて飽きた! と思ってる人
・高寺さん
・オダギリジョーのファン

仮面ライダークウガをオススメしない人


・白倉伸一郎氏
・正統派ヒーロー物が嫌いな人
・CGを使った派手なバトルが好きな人
・昭和ライダーが最高だと思ってる人
・退屈な展開が嫌いな人
・盛り上がりまくるバトルが好きな人
・戦闘BGMが大好きな人
・高寺Pが嫌いな人
・響鬼の前半が大嫌いで、逆に後半がかなり好きな人



良かった点


・五代雄介のヒーロー性

私がクウガを高く評価してるのは、五代雄介がヒーローらしいメンタリティをしっかり大事にした点がウェイトを占めています。

「こんな奴らのために・・・! これ以上誰かの涙は見たくない! みんなに笑顔でいてほしいんです! だから・・・・・・見ててください! 俺の・・・・・変身!」

この一言で五代雄介は強く優しくカッコイイヒーローとして確立しましたし、平成ライダーの礎を一発で築きました。


・リアルな描写を交えた戦闘アクション
泥臭く、暑苦しさの漂うアクション。
特にペガサスフォームの超聴覚とか、図鑑で軽々しく描かれるトンデモない設定をストーリーに取り込んだのは面白い試みでした。


・一条さん
クールでかっこいい、紳士的で天然、そしてタフな不死身の刑事・一条さん。
五代雄介以上の完璧超人でした。
この人がいなければ五代は何処かで倒れていたのではないでしょうか?

でも携帯をマナーモードにすることは忘れます



・椿さん
命を大切にする医者の鏡のような人物。女好きだったり五代を解剖してみたいなどと、やや軽い性格をしていながらも、生命に対する観点は作中で誰よりも真っ当で熱いものを持っていました。
とりわけ、蝶野との対話(※井上回の方)が非常に素晴らしかったです。


・爽やかな最終回
リアルタイムで見た際には、とても爽やかな気持ちになれた最終回でした。
何よりも、青空が素敵でした。

徐々に五代を思い出す人々が続き、五代が最後にEDと共に登場したところ。喧嘩を諌め、笑顔で何処かを旅する場面。
これは初見で感動を覚えました。
今見ても感動します・・・。



悪かった点

・やや退屈なストーリー展開
確かに盛り上がる話は結構あったんですが、その合間合間に主人公とは無関係の人物のエピソードが多く挿入され、やや退屈さを感じてしまいました。


・神崎先生、および彼の作中に散見される『若者への偏見』
神崎先生の話で顕著な話題なんですが、この作品はやたらと若者を敵視し、やたらと「昔はよかった」と嘆く場面が多く見られました。挙句の果てにはグロンギと若者を同列に並べて考える始末。
・・・これには呆れました。
本当に今(2000年)の若者が昔の若者よりも酷い存在なのか、科学的に、統計学的に証明する証拠はあるのでしょうか? 
ンナ゙ニヲジョーコニドンドコドーン!! 
単にそういったニュースが多く報道されただけで、実際は過去にも若者の犯罪は起きています。昔は良かったというのは所謂思い出補正に過ぎないと思われます。

この点から、私は彼の出てくる話が好きにはなれませんでしたし、彼自身も好意的には見られませんでした。
確かに父を失って傷心の五代にサムズアップを教えたことは評価されますが、教師として現代の子供と向き合う努力が作中で見られない以上、私は彼を好意的に評価できませんでした。

・後半の夏目実加の扱い
五代雄介が戦う決意を固めた少女。
ですが、何度も作中で登場したにも関わらず、やや後半での彼女の扱いは微妙でした。ダグバ戦においても彼女が登場することはありませんでした。父を殺された、最初にして最大の被害者であるにも関わらず。
この子が登場することで、ダグバへの怒りを視聴者が抱かないようにし、暴力否定を徹底的なものとするためでしょうか? それとも役者の事情?

ただし、小説版では活躍してました。本編における実加ちゃんの扱いに不満のある方は、小説版を一読されることを推奨いたします。

・『クウガ症候群』を植え付けてしまった
クウガの美点にして、同時に問題点でもあるのはコレではないかと思われます。

リアリティ志向こそ正義!
シリアスでハードな大人向けこそ至高!!
子供向け? そんなのノンノンカノン!!!


こんな感じの風潮は、クウガ以降、視聴者側にも制作側にも増えたように思えます。私はこれを、『クウガ症候群』 と呼称させていただきます。
確かにそういった志向も一つの考え方としてありでしょう。ですが、仮面ライダーもスーパー戦隊もプリキュアも、あくまで子供向け番組であることに変わりありません。

アバレンジャーは「クウガ2」をコンセプトに作られたと制作側が明言されていますし、仮面ライダー剣は「クウガ」を意識したと會川先生が仰っております。これら以外にも、クウガを強く意識した特撮作品は多いです。

しかしながら、クウガ以降、子供が見てどう楽しめるかそういった視点が抜け落ちることが多くなった作品(響鬼、キバなど。ファンの方はごめんなさい)がしばしば散見されるのは残念に思います。
もっとも、これは必ずしもクウガそのもののせいではなく、あくまでもクウガを至高とした考えから一歩抜け出せない側に問題があるのでしょうけど。


・作中で見られる思考の方向性が、やや一方的

・本人の努力ではどうにもならない不運『も』重なった蝶野を、ただひたすら否定的に描く(※荒川回の方。井上回はアレで文句なし)
・孫にろくな教育もしてない祖母が、榎田さんを批判する展開がある(もちろん作中で榎田さんは肯定されましたが)
・あまりにも徹底的な暴力否定(後述)

このあたりに関しては、ちょっと共感はしづらかったです。とりわけ、蝶野に関しては五代のアンチテーゼ的存在でしたので、もう少し登場させて五代と絡ませる話があっても良かったと思います。


賛否両論の点

・本当に、グロンギは殴ることが悲しい存在なのか?
正直、グロンギの設定、およびそれに対しての戦いに五代が悲しむのは、やや不可解でした。
作中でのグロンギは、殺人をゲームとして楽しみ、言語が通じても思考は通じない、話し合いの余地はない倒すべき存在として描かれました。謂わば、設定としてはミラーモンスターやファントムに近いものがあります。
これが人間由来のオルフェノクやドーパント(まぁ基本メモリブレイクだけで死にはしませんけど)ならば、まだ倒すことを悲しむのも理解できます。
ですが、グロンギは人よりかは害獣に近いような存在でした。それを倒すための戦いに悲しみを覚えるというのは、黙って首を縦に振りづらいものがありました。
五代が全ての生命を大事にする青年として描かれていればまた別でしたが、彼が鳥や花や獣達を愛でる場面は、私の見る限り殆どありませんでした。

もっとも、逆に考えれば「どんなに悪辣な存在であろうと、暴力での解決は許されない」ということを描きたかったのでしょう。ですが、私には残念ながら納得がいきませんでした。

暴力否定を描きたいのなら、最終的に敵と暴力以外で解決できる存在にし、且つその手段を示すべきだったかと思います。
(執筆時現在は、まだ最終回は見てませんが)敵との対話・和解で終わらせたスイートプリキュア♪みたいに。


・それまでの『仮面ライダー』の常識を破壊した
仮面ライダーは基本的に、悪の組織へ孤独に立ち向かう戦士でした。確かに支援してくれる人間や存在はいましたが、それはあくまでも補助的な役割に過ぎません。戦場に立つ際は、本質的には孤独でした。
タックルやモグラ獣人、バトルホッパーなど、戦闘で補助してくれる仲間はいましたが、それでも個人の協力の範囲に留まりました。『ライダーVS組織』の構造を、全面的に守ってきたのです。平成ライダーシリーズにおいても、殆どの作品はこの構造に従っていました。
しかし、クウガは警察と協力して戦いました。警察という組織が全面的にバックアップしてくれたわけです。
精神的なサポートでも、肉体的な面のケアでも、武装の面でも。
これは「ヒーローはどうして警察といっしょに戦わないの?」という問いへの答えでもあり、リアルな戦いを描いたという意味では評価されます。
しかし、逆に考えると、ヒーローが組織(それも国家組織)に頼るというあるまじき行為とも言えます。
この番組のOPでもありますが、「英雄はただひとりでいい」のです。それまでの仮面ライダーが孤独に戦っていたのは、隣に誰かを立たせることで彼らを傷つけたり悲しませたりしないためです。

また、ダグバ戦では、生身で泣きながら戦う五代とダグバが描かれます。
これは、ある意味『仮面ライダー』の常識を打ち砕いた衝撃的なものでした。
何故なら、初代からずっと、仮面ライダーはその仮面で涙や悲しみを隠し、戦う戦士でした。少なくとも、戦いの間に涙を流す者は誰ひとりいませんでした。

例えば、萬画版の本郷猛は改造人間の証たる顔の傷跡が浮かび上がるのを嫌い、仮面をかぶって戦いました。
RXの南光太郎は、信彦を失った涙を子供たちには見せず、ひたすら笑顔で見送りました。


これらの「ライダーの常識」をぶち壊したことは、衝撃的でもあり、革新的でもありました。
意外にも、アギト以降の作品とりわけ白倉作品の方が、好き嫌いこそ別れますが

「孤独に戦う仮面ライダー(氷川さんや響鬼ライダーなど例外はいますが)」
「組織VS個人」
「決して悲しみを誰かに見せず戦う」


等の、伝統的な構図を律儀に守っていたりします。
加えて言うならば、こうした伝統を破った点が昭和ライダーファンにとって気に喰わない点でもあったのでしょう。私としては、なんとも微妙な感じで、どっちとも言いがたいところですが。


総括

仮面ライダーの常識をぶっ壊した作品。

それがクウガに対する評価と言えるでしょう。
先にも述べましたが、クウガはそれまで仮面ライダーで常識としていたことを見事なまでに破壊しました。
クウガ以前の仮面ライダーは、以下のような特徴があると私は解釈しています。


・単純明快なストーリー
・悪の組織と戦う孤独なヒーロー(例外は多々ありますが)
・どこか影がありながらも気丈に振る舞う主人公達
・でも悲しみを仮面で隠し、戦い続ける
・ちょっぴりユーモラスな悪の怪人達
・戦いが終わった後も、何処かで新たな戦いのために去ってゆく


しかし、これらの常識をクウガは尽く破壊しつくしました。

・複雑でハードなストーリー
・警察組織と協力して戦う
・爽やかな笑顔の純粋で明るい主人公
・しかし内面は戦い続けることに苦しみ、最終的には仮面を脱ぎ捨て泣き出す
・全く同情や共感の余地のない邪悪なグロンギ
・戦いが終わったあと、冒険の旅に出て笑顔で旅を楽しむ


総括いたしますと、『クウガ』は仮面ライダーの枠を破壊し、新たなライダーの枠組みを作った記念すべき作品と言えるでしょう。
個人的には受け入れづらい面もありましたが、素晴らしい作品であることには変わりありません。何故なら、五代雄介はヒーローとして絶対に欠かせない三要素を持っていたからです。

・どんな敵をも乗り越えようとする心の強さ
・絶対に他人には笑顔で接し、自身の苦しみを見せない強さ(個人的には影で苦悩する姿が見たかったですが)

そして、
・少女の涙を見て、熾烈な戦いに臨むことを誓った優しさ

それゆえ、私はクウガを完全無欠の神作とは言いませんが、名作だったと考えています。
同時に平成ライダーを振り返るにあたって、この五代雄介の精神性が後作ではあまり顧みられていないことを残念にも思います。
平成ライダーに欠かせない要素。
それは、だれかの涙のために戦えること。これこそが絶対条件だと考えています。
制作スタッフの皆様には、ぜひともこの精神性を忘れずに頑張っていただきたいと心から願っております。


薔薇社長的な仮面ライダークウガの評価



・アクション:上の上ですね。特にバイクアクションがカッコいい。
・ストーリー:中の上ですね。確かに盛り上がり所はありましたが、退屈な回も少なくなかったです。
・キャラ:上の上ですね。みんなキャラが立ってました。
・主人公:上の上ですね。五代のヒーロー性には感服せざるを得ません。
・デザイン:中の上ですね。他作品に比べると、ややデザインは地味でした。動物の特徴もやや分かりにくいです。

・総合:上の中ですね。やはり完全無欠の作品など存在しません。
しかし、伝説を塗り替え、平成ライダーの礎となった記念すべき作品であることに変わりはありません。




ベスト5

1.第2話(五代のヒーロー性が光る名回、そして平成ライダーの始まり!)
2.第49話(爽やかな良い最終回!)
3.第35話
(ジャラジの卑劣さに恐怖しつつも、同時にクウガの怒りを否定すると言う、革新的な回)
4.48話(泣きながら生身で戦うという、衝撃的な回)
5.14話(井上大先生による、椿先生が輝く話)

ワースト5
1.26話(小学生が彷徨う話後編。ストーリーと戦闘がリンクしてないのがつまらない)
2.11話(神崎先生の話。サムズアップの話は良かったが、今の若者をグロンギと呼ぶ神崎先生にまったく共感できなかった。)
3.41話(五代の名言はいいけど、「最近の若者は~」的な描写が気に喰わなかった)
4.45話(さゆるくん編前編。榎田さんよりも義母の無責任さに腹が立った)
5.特になし




その他オススメ回
7話(ユネスコ村大恐竜探検館とか、超聴覚描写が斬新)
19話(クウガがキノコ胞子で死にかける回)
20話(五代が復活したその後、キノコクローンをムッコロス話)
28話(怪人に怯える妊婦さんの描写と彼女に掛けられる言葉が良かった)

仮面ライダークウガ総括

2014.07.15 (Tue)
仮面ライダークウガをオススメできる人

・正統派ヒーロー物が見たい人
・熱いヒーロー物が見たい人
・泥臭いアクションが見たい人
・刑事ドラマ的なヒーローものが見たい人
・リアルなストーリーを見たい人
・子供向けヒーローなんて飽きた! と思ってる人
・高寺さん
・オダギリジョーのファン

仮面ライダークウガをオススメしない人


・白倉伸一郎氏
・正統派ヒーロー物が嫌いな人
・CGを使った派手なバトルが好きな人
・昭和ライダーが最高だと思ってる人
・退屈な展開が嫌いな人
・盛り上がりまくるバトルが好きな人
・戦闘BGMが大好きな人
・高寺Pが嫌いな人
・響鬼の前半が大嫌いで、逆に後半がかなり好きな人



良かった点


・五代雄介のヒーロー性

私がクウガを高く評価してるのは、五代雄介がヒーローらしいメンタリティをしっかり大事にした点がウェイトを占めています。

「こんな奴らのために・・・! これ以上誰かの涙は見たくない! みんなに笑顔でいてほしいんです! だから・・・・・・見ててください! 俺の・・・・・変身!」

この一言で五代雄介は強く優しくカッコイイヒーローとして確立しましたし、平成ライダーの礎を一発で築きました。


・リアルな描写を交えた戦闘アクション
泥臭く、暑苦しさの漂うアクション。
特にペガサスフォームの超聴覚とか、図鑑で軽々しく描かれるトンデモない設定をストーリーに取り込んだのは面白い試みでした。


・一条さん
クールでかっこいい、紳士的で天然、そしてタフな不死身の刑事・一条さん。
五代雄介以上の完璧超人でした。
この人がいなければ五代は何処かで倒れていたのではないでしょうか?

でも携帯をマナーモードにすることは忘れます



・椿さん
命を大切にする医者の鏡のような人物。女好きだったり五代を解剖してみたいなどと、やや軽い性格をしていながらも、生命に対する観点は作中で誰よりも真っ当で熱いものを持っていました。
とりわけ、蝶野との対話(※井上回の方)が非常に素晴らしかったです。


・爽やかな最終回
リアルタイムで見た際には、とても爽やかな気持ちになれた最終回でした。
何よりも、青空が素敵でした。

徐々に五代を思い出す人々が続き、五代が最後にEDと共に登場したところ。喧嘩を諌め、笑顔で何処かを旅する場面。
これは初見で感動を覚えました。
今見ても感動します・・・。



悪かった点

・やや退屈なストーリー展開
確かに盛り上がる話は結構あったんですが、その合間合間に主人公とは無関係の人物のエピソードが多く挿入され、やや退屈さを感じてしまいました。


・神崎先生、および彼の作中に散見される『若者への偏見』
神崎先生の話で顕著な話題なんですが、この作品はやたらと若者を敵視し、やたらと「昔はよかった」と嘆く場面が多く見られました。挙句の果てにはグロンギと若者を同列に並べて考える始末。
・・・これには呆れました。
本当に今(2000年)の若者が昔の若者よりも酷い存在なのか、科学的に、統計学的に証明する証拠はあるのでしょうか? 
ンナ゙ニヲジョーコニドンドコドーン!! 
単にそういったニュースが多く報道されただけで、実際は過去にも若者の犯罪は起きています。昔は良かったというのは所謂思い出補正に過ぎないと思われます。

この点から、私は彼の出てくる話が好きにはなれませんでしたし、彼自身も好意的には見られませんでした。
確かに父を失って傷心の五代にサムズアップを教えたことは評価されますが、教師として現代の子供と向き合う努力が作中で見られない以上、私は彼を好意的に評価できませんでした。

・後半の夏目実加の扱い
五代雄介が戦う決意を固めた少女。
ですが、何度も作中で登場したにも関わらず、やや後半での彼女の扱いは微妙でした。ダグバ戦においても彼女が登場することはありませんでした。父を殺された、最初にして最大の被害者であるにも関わらず。
この子が登場することで、ダグバへの怒りを視聴者が抱かないようにし、暴力否定を徹底的なものとするためでしょうか? それとも役者の事情?

ただし、小説版では活躍してました。本編における実加ちゃんの扱いに不満のある方は、小説版を一読されることを推奨いたします。

・『クウガ症候群』を植え付けてしまった
クウガの美点にして、同時に問題点でもあるのはコレではないかと思われます。

リアリティ志向こそ正義!
シリアスでハードな大人向けこそ至高!!
子供向け? そんなのノンノンカノン!!!


こんな感じの風潮は、クウガ以降、視聴者側にも制作側にも増えたように思えます。私はこれを、『クウガ症候群』 と呼称させていただきます。
確かにそういった志向も一つの考え方としてありでしょう。ですが、仮面ライダーもスーパー戦隊もプリキュアも、あくまで子供向け番組であることに変わりありません。

アバレンジャーは「クウガ2」をコンセプトに作られたと制作側が明言されていますし、仮面ライダー剣は「クウガ」を意識したと會川先生が仰っております。これら以外にも、クウガを強く意識した特撮作品は多いです。

しかしながら、クウガ以降、子供が見てどう楽しめるかそういった視点が抜け落ちることが多くなった作品(響鬼、キバなど。ファンの方はごめんなさい)がしばしば散見されるのは残念に思います。
もっとも、これは必ずしもクウガそのもののせいではなく、あくまでもクウガを至高とした考えから一歩抜け出せない側に問題があるのでしょうけど。


・作中で見られる思考の方向性が、やや一方的

・本人の努力ではどうにもならない不運『も』重なった蝶野を、ただひたすら否定的に描く(※荒川回の方。井上回はアレで文句なし)
・孫にろくな教育もしてない祖母が、榎田さんを批判する展開がある(もちろん作中で榎田さんは肯定されましたが)
・あまりにも徹底的な暴力否定(後述)

このあたりに関しては、ちょっと共感はしづらかったです。とりわけ、蝶野に関しては五代のアンチテーゼ的存在でしたので、もう少し登場させて五代と絡ませる話があっても良かったと思います。


賛否両論の点

・本当に、グロンギは殴ることが悲しい存在なのか?
正直、グロンギの設定、およびそれに対しての戦いに五代が悲しむのは、やや不可解でした。
作中でのグロンギは、殺人をゲームとして楽しみ、言語が通じても思考は通じない、話し合いの余地はない倒すべき存在として描かれました。謂わば、設定としてはミラーモンスターやファントムに近いものがあります。
これが人間由来のオルフェノクやドーパント(まぁ基本メモリブレイクだけで死にはしませんけど)ならば、まだ倒すことを悲しむのも理解できます。
ですが、グロンギは人よりかは害獣に近いような存在でした。それを倒すための戦いに悲しみを覚えるというのは、黙って首を縦に振りづらいものがありました。
五代が全ての生命を大事にする青年として描かれていればまた別でしたが、彼が鳥や花や獣達を愛でる場面は、私の見る限り殆どありませんでした。

もっとも、逆に考えれば「どんなに悪辣な存在であろうと、暴力での解決は許されない」ということを描きたかったのでしょう。ですが、私には残念ながら納得がいきませんでした。

暴力否定を描きたいのなら、最終的に敵と暴力以外で解決できる存在にし、且つその手段を示すべきだったかと思います。
(執筆時現在は、まだ最終回は見てませんが)敵との対話・和解で終わらせたスイートプリキュア♪みたいに。


・それまでの『仮面ライダー』の常識を破壊した
仮面ライダーは基本的に、悪の組織へ孤独に立ち向かう戦士でした。確かに支援してくれる人間や存在はいましたが、それはあくまでも補助的な役割に過ぎません。戦場に立つ際は、本質的には孤独でした。
タックルやモグラ獣人、バトルホッパーなど、戦闘で補助してくれる仲間はいましたが、それでも個人の協力の範囲に留まりました。『ライダーVS組織』の構造を、全面的に守ってきたのです。平成ライダーシリーズにおいても、殆どの作品はこの構造に従っていました。
しかし、クウガは警察と協力して戦いました。警察という組織が全面的にバックアップしてくれたわけです。
精神的なサポートでも、肉体的な面のケアでも、武装の面でも。
これは「ヒーローはどうして警察といっしょに戦わないの?」という問いへの答えでもあり、リアルな戦いを描いたという意味では評価されます。
しかし、逆に考えると、ヒーローが組織(それも国家組織)に頼るというあるまじき行為とも言えます。
この番組のOPでもありますが、「英雄はただひとりでいい」のです。それまでの仮面ライダーが孤独に戦っていたのは、隣に誰かを立たせることで彼らを傷つけたり悲しませたりしないためです。

また、ダグバ戦では、生身で泣きながら戦う五代とダグバが描かれます。
これは、ある意味『仮面ライダー』の常識を打ち砕いた衝撃的なものでした。
何故なら、初代からずっと、仮面ライダーはその仮面で涙や悲しみを隠し、戦う戦士でした。少なくとも、戦いの間に涙を流す者は誰ひとりいませんでした。

例えば、萬画版の本郷猛は改造人間の証たる顔の傷跡が浮かび上がるのを嫌い、仮面をかぶって戦いました。
RXの南光太郎は、信彦を失った涙を子供たちには見せず、ひたすら笑顔で見送りました。


これらの「ライダーの常識」をぶち壊したことは、衝撃的でもあり、革新的でもありました。
意外にも、アギト以降の作品とりわけ白倉作品の方が、好き嫌いこそ別れますが

「孤独に戦う仮面ライダー(氷川さんや響鬼ライダーなど例外はいますが)」
「組織VS個人」
「決して悲しみを誰かに見せず戦う」


等の、伝統的な構図を律儀に守っていたりします。
加えて言うならば、こうした伝統を破った点が昭和ライダーファンにとって気に喰わない点でもあったのでしょう。私としては、なんとも微妙な感じで、どっちとも言いがたいところですが。


総括

仮面ライダーの常識をぶっ壊した作品。

それがクウガに対する評価と言えるでしょう。
先にも述べましたが、クウガはそれまで仮面ライダーで常識としていたことを見事なまでに破壊しました。
クウガ以前の仮面ライダーは、以下のような特徴があると私は解釈しています。


・単純明快なストーリー
・悪の組織と戦う孤独なヒーロー(例外は多々ありますが)
・どこか影がありながらも気丈に振る舞う主人公達
・でも悲しみを仮面で隠し、戦い続ける
・ちょっぴりユーモラスな悪の怪人達
・戦いが終わった後も、何処かで新たな戦いのために去ってゆく


しかし、これらの常識をクウガは尽く破壊しつくしました。

・複雑でハードなストーリー
・警察組織と協力して戦う
・爽やかな笑顔の純粋で明るい主人公
・しかし内面は戦い続けることに苦しみ、最終的には仮面を脱ぎ捨て泣き出す
・全く同情や共感の余地のない邪悪なグロンギ
・戦いが終わったあと、冒険の旅に出て笑顔で旅を楽しむ


総括いたしますと、『クウガ』は仮面ライダーの枠を破壊し、新たなライダーの枠組みを作った記念すべき作品と言えるでしょう。
個人的には受け入れづらい面もありましたが、素晴らしい作品であることには変わりありません。何故なら、五代雄介はヒーローとして絶対に欠かせない三要素を持っていたからです。

・どんな敵をも乗り越えようとする心の強さ
・絶対に他人には笑顔で接し、自身の苦しみを見せない強さ(個人的には影で苦悩する姿が見たかったですが)

そして、
・少女の涙を見て、熾烈な戦いに臨むことを誓った優しさ

それゆえ、私はクウガを完全無欠の神作とは言いませんが、名作だったと考えています。
同時に平成ライダーを振り返るにあたって、この五代雄介の精神性が後作ではあまり顧みられていないことを残念にも思います。
平成ライダーに欠かせない要素。
それは、だれかの涙のために戦えること。これこそが絶対条件だと考えています。
制作スタッフの皆様には、ぜひともこの精神性を忘れずに頑張っていただきたいと心から願っております。


薔薇社長的な仮面ライダークウガの評価



・アクション:上の上ですね。特にバイクアクションがカッコいい。
・ストーリー:中の上ですね。確かに盛り上がり所はありましたが、退屈な回も少なくなかったです。
・キャラ:上の上ですね。みんなキャラが立ってました。
・主人公:上の上ですね。五代のヒーロー性には感服せざるを得ません。
・デザイン:中の上ですね。他作品に比べると、ややデザインは地味でした。動物の特徴もやや分かりにくいです。

・総合:上の中ですね。やはり完全無欠の作品など存在しません。
しかし、伝説を塗り替え、平成ライダーの礎となった記念すべき作品であることに変わりはありません。




ベスト5

1.第2話(五代のヒーロー性が光る名回、そして平成ライダーの始まり!)
2.第49話(爽やかな良い最終回!)
3.第35話
(ジャラジの卑劣さに恐怖しつつも、同時にクウガの怒りを否定すると言う、革新的な回)
4.48話(泣きながら生身で戦うという、衝撃的な回)
5.14話(井上大先生による、椿先生が輝く話)

ワースト5
1.26話(小学生が彷徨う話後編。ストーリーと戦闘がリンクしてないのがつまらない)
2.11話(神崎先生の話。サムズアップの話は良かったが、今の若者をグロンギと呼ぶ神崎先生にまったく共感できなかった。)
3.41話(五代の名言はいいけど、「最近の若者は~」的な描写が気に喰わなかった)
4.45話(さゆるくん編前編。榎田さんよりも義母の無責任さに腹が立った)
5.特になし




その他オススメ回
7話(ユネスコ村大恐竜探検館とか、超聴覚描写が斬新)
19話(クウガがキノコ胞子で死にかける回)
20話(五代が復活したその後、キノコクローンをムッコロス話)
28話(怪人に怯える妊婦さんの描写と彼女に掛けられる言葉が良かった)

仮面ライダー剣総括

2014.04.29 (Tue)
先週youtubeで配信修了いたしましたので、仮面ライダー剣の総括でもやってみます。


仮面ライダー剣をオススメできる人


・正統派ヒーロー物とクウガ~555のシリアスな作風の両方が、いい感じに合わさった作品を見たい人
・オンドゥル語に心惹かれた人
・仮面ライダーフォーゼの速水校長が好きな人
・正統派ヒーロー物が見たい人
・熱いヒーロー物が見たい人
・會川昇&井上敏樹脚本のコンビが好きな人
・アニメ版『鋼の錬金術師』が好きな人
・泥臭いアクションが見たい人



仮面ライダー剣をオススメしない人


・白倉伸一郎氏
・米村正二氏
・設定の矛盾が気になる人
・會川昇が嫌いな人
・正統派ヒーロー物が嫌いな人
・CGを使った派手なバトルが好きな人




良かった点


・剣崎一真という男
どんなに傷つこうと血を流そうと辛い目に遭おうと、決して戦いから逃げなかった男。
まっすぐで、強く優しく、そしてカッコよかった剣崎。
序盤こそやや活躍が薄めでしたが、中盤から怒涛の巻き返し。そしてあの最終回・・・。

彼こそ、(私の中では)最高の仮面ライダーでした。


・相川始のストーリー
『仮面ライダー剣』の、真の主人公とも言えるこの人。
その存在は、人と怪物との狭間で変わってゆくことに戸惑い、苦しむ役柄でした。
ですが、それが強さに変わってゆき、人の中で生きようとあがいていく姿は、悲しくも美しくありました。
キャラとしては、「怪物になってしまった人間」を描いた555のオルフェノクの逆をやったわけですが、どちらも魅力的な存在でした。
人の愛を受けた怪物が変わり、その心ゆえに強くなってゆく姿。そんな始の生き方に私は涙を禁じえませんでした。


「本当に強いのは・・・、強いのは・・・! 人の想いだぁっ!!」


・橘さん
ネタキャラでもあり、萌えキャラでもあり、燃えキャラでもあるこのお方。
最初こそ「俺の体はボロボロだ!」など、恐怖心からなる奇行を繰り広げ、迷言製造機としての活躍ばかりでした。
ですが、

伊坂との決戦、桐生レンゲルとの戦い、ギラファとの死闘・・・!

記憶に残る名戦を繰り広げ、決めるときにはキチンと決めるお方でした。
そして、登場人物の中でも、誰よりも皆の事を考えて行動する(そして空回りする)優しくてお人よしでした。
やさしいがゆえに、ボロボロの体を治そうと必死になったり、剣崎を助けようと理解されずとも必死に動いたり、広瀬さんの贖罪を手伝おうとして騙されたり、最後の最後で始の心を信じてギラファと戦ったりしたのです。
そんな愛すべき男・橘さんが、私は大好きです。


・虎太郎と広瀬さんという良脇役
椿隆之さんは仰ってました、『剣崎は仲間の支えがあってこそ』と。
まさしく仰る通りで、この二人がいなければ剣崎は確実に序盤で折れていたことでしょう。
「目の前に苦しめられてる人達がいんのよ・・・。その人たちを救うために戦うしかないでしょ!? それがライダーの仕事じゃないの!?」
「百回人を裏切った奴より、百回裏切られてバカを見た人間の方が、僕は好きだな・・・」

この二人の言葉が、孤独に苦しんでいた剣崎を救ったのでしょう。
もう一度申し上げますが、この二人なくして剣崎一真は戦えませんでした。
こうしたライダーをサポートするサブキャラをしっかり描いたのも、剣の長所と言えるでしょう。


・熱い後半のストーリー
後述いたしますが、記憶に残る回・感動した回は、多くが後半に集中していました。
それだけ、會川昇氏の気合と椿さんや森本さんなどの、役者陣をはじめとするスタッフの本気が詰め込まれているのでしょう。
しかし、その土台を固めたのが今井氏であることも忘れてはなりません。そして、ややグチャグチャになりかけた土台の上を整理した彼と井上敏樹氏の影の活躍もまた然りです。
この三人の力が合わさったからこそ、剣の熱い後半ができたといえるでしょう。


・最高の最終回
私は、この作品の最終回こそ、特撮史上最高レベルの最終回だったと断言いたします。
少なくとも私の中では、初代ウルトラマン最終回・帰マン最終回に匹敵するレベルです。
全仮面ライダーシリーズでも、ブレイド最終回に勝るものはないと、信じてます。
ちょっと偏見入ってますが(笑)






悪かった点

・睦月が脇に追いやられたストーリー
正直に申し上げますと、睦月ってあまり話に必要ないキャラクターです。
ストーリー構成が、前半が橘さんの挫折と復活、後半が剣崎と始の友情にそれぞれ軸を置いている以上、どうしても彼が話の軸になることは難しかったのでしょう。

確かに嶋さんや虎姐とのストーリーはとても良かったです。
しかし、後半の彼は基本的に「最強」言うだけの始たちに吹っ飛ばされる噛ませのガキライダーという役柄が強かったです。
アンデッドとの共存を考えるキャラとしては、確かに悪い話ではありませんでしたが、いかんせん遅すぎたため、踏込が甘かったと言えます。


・序盤のグダグダ
やたら短気でキレてばかりの登場人物達、よく分からない敵の目的、とにかく謎だらけで何が何だか意味不明なストーリー。
剣崎が始にまで八つ当たりしていた時は、さすがにちょっとどうかと思いました。とはいえ、彼も天音ちゃんにはしっかり優しくしてたんですけどね。


そしてオンドゥル語・・・(実をいうとオンドゥル語大好きなんですけど)

もちろん、序盤(1~10話あたり)には虎太郎の名言や剣崎や始の根幹の描写、小夜子など、真っ当な見どころも少なくはないのですが、いかんせん短所が目立ちがちでした。

但し、この辺りは武部直美氏の介入による所が大きいと、宇宙船2005年3月号のご本人のインタビューで判明しております。彼女曰く、今井氏に「もっと謎を~」「もっとライダーバトルを~」とご助言なされたそうです。


・無意味なライダーバトルが多い
平成ライダー一期において、ライダーバトルを嫌う風潮が出来たのはほぼ間違いなく剣とカブトのせいだと思います。
それくらい、無駄なライダーバトルが(特に序盤)多かったと思います。
どうしても展開上必要なライダーバトルは、


・桐生VS橘さん(話の展開上そうならざるを得ない)
・43・44話(敵の作戦の性質上仕方ない)
・序盤の、カリスとブレイド・ギャレンの対立(お互い素性を知らない状態だから仕方ない)
・ジョーカーをめぐるギャレンとブレイド(およびレンゲル)の対決(32話、47話)

くらいでしょうか。
闇墜ちレンゲルとの戦いも、睦月のガキ臭さが抜けず、前前作の王蛇みたいな良い意味での引っ掻き回し役にはなれず、「またかよ・・・」みたいな呆れに近い感覚でした。


・バトルファイトのいい加減過ぎる設定
生物学的には、疑問点の多い設定でした。
戦う動物が哺乳類と昆虫に偏りすぎですし、52種では足りなすぎです。
但し子供番組でそこまで踏み込むと、地味な動物のチョイスになってしまう(カブトのワームは、これをやった故にマイナー生物が多くなってしまった)ので、難しい所でもありますが・・・。
この辺、ジュウレンジャーなどにも通ずる部分がありますね。


・未使用ラウズカードが多すぎる(≒商業作品としての失敗)
この作品で売り上げ(と視聴率)が落ちてしまった。これは認めざるを得ない事実でありましょう。
その原因の一つとして、作中における未使用ラウズカードがあまりにも多すぎた事も原因として挙げられるでしょう。

ハイパーバトルビデオも併せると、作中の未使用カードは各スート毎で以下のカードが挙げられます。

スペード:8(マグネットバッファロー)、10(タイムスカラベ)
ダイヤ:7(ロックトータス)、8(スコープバット)、10(シーフカメレオン)、K(エヴォリューションギラファ)
ハート:8(リフレクトモス)、9(リカバーキャメル)、10(シャッフルセンチピード)、Q(アブソーブオーキッド)
クラブ:2(スタッブビー)、7(ゲルジェリーフィッシュ)、J(フュージョンエレファント)
(*嶋さんと虎姐のカードは、一応劇中で使用したので割愛)

計13枚(ケルベロス、ジョーカー等は割愛しました)

まぁギラファは最後のアンデッドだったので、仕方ないんですけどね。

この点を擁護いたしますと、この頃にはまだ小物(炎神キャストやガイアメモリとか)で売り上げを倍増させる手段はまだ確立されていませんでした。それゆえ、こうしたアイテムを劇中で生かす作劇法も成立していなかった部分が有ります。
ブレイドの失敗も、逆に言えばゴーオンやダブル以降の商業展開に至るまでの試行錯誤の時期にあったといえるでしょう。




総括


序盤こそオンドゥルルラギッタンディスカー! で、良くも悪くも話題になった仮面ライダー剣。
そのグダグダから、バーニングザヨゴと桐生さんの悲劇で一気に巻き返し、後半からは完璧に独自の流れを作ったと思います。
この作品は、クウガ・アギト・龍騎・555の、それまでの平成ライダーの特徴を取り込み、己が物に取り込んでいるところでしょう。


クウガ→剣崎のヒーロー性
アギト→複数ライダーの群像劇、異形ゆえの悲劇
龍騎→カードを使ったバトル、ライダーバトル
555→機械ライダー、怪物と人との間で揺れ動く者達のドラマ


製作者の日笠P曰く、平成ライダーには決まった「型」がなくそれ故クウガやアギトを参考にして作るしかなかったと、苦戦した旨を語っていらっしゃいます。
これは、平成ライダー一期の問題点を端的に表現した言葉でもあります。
確かにクウガ~555はヒーロー物の枠をぶっ壊すことを目的に(アギトはそうでもない気もしますが置いときます)、斬新なストーリーや展開を押し出してきましたが、逆に言えば後に続けるための決まった「型」を後世に残すことには劣っていたとも言えます。
すなわち、長年にわたるシリーズを作るための安定した基盤作りができてなかったと言えます。
それ故、日笠Pも苦心なされたのでしょう。彼は「剣」で平成ライダーのテンプレートを作りたかったのかもしれません。

では、剣の独自性と言うのは何か? 過去作のツギハギだらけなのか?と申し上げますと、そんなことはございません。

剣の注目すべき点、それは911以降に在るべき「ヒーロー」の姿を描こうとした。
これに尽きると思います。

會川氏のインタビューにも掲載されていますが、911以降のヒーローの描き方・在り方は多くのクリエイターの間で議論されていたようです。龍騎や555などの所謂「アンチヒーロー」的要素の強い作品も、そうした議論の一環から生まれた、従来型のヒーローに対する問いかけの意味合いがあったのでしょう。

ですが、「ならば、これからのヒーローはどうあるべきなのか?」という疑問に対する答えとしては、龍騎や555は踏み込みが甘かったと思われます。
しかし、剣ではそれらを踏まえたうえで答えを出しました。
本作の剣崎の「全ての人を、人の心を持った者達を、守り抜くため戦う」生き方は、會川氏が考えていたそれらの疑問に対する、一種の解答とも言えるでしょう。

言ってみれば、龍騎と555で提示した疑問に答えを示した。それが剣の作品としての意義の一つだったように思われます。

更に、後年ウィザード53話で、會川氏は士にこのようなことを言わせました。
「ある人が言った。俺たちは正義のために戦ってるんじゃない、俺たちは人間の自由を守るために、戦うんだとよ・・・!」

これが、會川氏なりの、911以降のヒーローの答えの完成系・もしくは発展系なのでしょう。
ヒーローの問題点を認識しつつも、決して単純な否定をせずにどうあるべきかを模索した。そんなところが、「仮面ライダー剣」が今なお愛される作品として成立している一因なのでしょう。

私も、この素晴らしい作品に出会えたことを感謝しつつ、ずっと語り継いでいきたいと思います。



薔薇社長的な仮面ライダー剣の評価



・アクション:上の下ですね。CG少なめな分、前作前々作と比べるとやや地味に感じます。
・ストーリー:中の上ですね。細分すると、前半(10話くらいまで)が下の上、それ以降が上の中と言ったところでしょうか。最終回は間違いなく上の上です。
・キャラ:上の上ですね。10年経っても、特撮ファンが橘さんを忘れないのは凄すぎです。
・デザイン:上の上ですね。カラフルで動物の特徴も併せ持ったアンデッドのデザインは最高です。

・総合:上の下ですね。ただし、私の一番好きな仮面ライダーはブレイドだと断言いたします。




ベスト5

1.第49話『永遠の切り札』
(上でも書きましたが、平成ライダー史上最高の最終回でした
2.第34話『カテゴリーK(キング)』
(通常フォームでコーカサスを倒したブレイドが熱い! そして、始がカッコいい!)
3.第36話『最強フォーム』
(剣崎のヒーローとしての在りかた、そして平成ライダーの『正義』について示した名回です)
4.第47話『ギャレン消滅』
(橘さん最期の戦い。「この距離なら、バリアは張れないな!」)
5.第42話『レンゲル復活 』
(望美を通じて心境が変化し、最期は自らを犠牲にした虎姐が泣ける・・・)


ワースト5
1.第1話『紫紺の戦士』
オンドゥルルラギッタンディスカー!!な、最悪の第1話。画面暗いし、話がよく分からんし、ナズェミテルンディス!)
2.第5話『過去への挑戦』
(話を聴かない橘さんのせいで、無駄なライダーバトルが・・・)
3.第8話『甦った者たち』
(所長が酷すぎ、橘さんがヘタレすぎ・・・。「だが私は謝らない」)
4.第28話『危険な賭け!?』
(この話自体は普通ですが、後の事を考えるとこの辺で改心させた方が良かったと思います。)
5.第7話『囚われた2号』
(橘さんの態度がアレなのと、恐怖顔が(良い意味で)やりすぎ・・・。但し、虎太郎の名言や融合係数の伏線など、重要な点も有ることは見逃せません)


その他オススメ回
第3話『彼らの秘密…』
(リアルタイムで見て思いましたが、ローカストキックが無茶苦茶カッコいいです!)
第15話『運命の適合者』
(戦闘から必殺技発動までの、静かな流れが凄い。バーニングディバイドは、この時が一番カッコいい!)
第19話『暗黒を征す者』
(桐生さんの、「もっと馬鹿になれ・・・!」と「俺もなりたかったよ、仮面ライダーに」が泣けます・・・)
第23話『運命の適合者』
(ブレイド空を飛ぶ。始と剣崎の仲が深まった記念すべき回でもあります)
第30話『失われた記憶』
たい焼き名人アルティメットフォームに爆笑www)
第45話『新たなカード』
(キングフォームの二刀流アクションが非常にカッコいいです!!)


名言ベスト10


1.俺は運命と戦う、そして勝ってみせる!
2.たとえカードが一枚もなくても、お前を封印できるはずだ! 俺に、ライダーの資格があるなら! 戦えない、全ての人のために、俺が戦う!
3.本当に強いのは・・・、強いのは・・・! 人の想いだぁっ!!
4.百回人を裏切った奴より、百回裏切られてバカを見た人間の方が、僕は好きだな・・・。
5.この距離なら、バリアは張れないな!
6.お前は・・・、人間たちの中で生き続けろ・・・!
7.光と闇に、操られるな・・・。自分の中に両方抱えて、戦いぬけ・・・! 自分との戦いに、終わりはない・・・!
8.もっと馬鹿になれ・・・!
9.俺もなりたかったよ、仮面ライダーに・・・!
10.小夜子ぉぉぉぉっっ!!


迷言ベスト10
1.オンドゥルルラギッタンディスカー!!
2.ウゾダドンドコドーン!!
3.これ食ってもいいかな?
4.俺の体はボロボロだ!
5.俺は最強だー!!
6.スピニングダンス(キリッ)
7.オレハクサムヲムッコロス!!
8.フォ-(0∀0)-ウ!!
9.俺だって人質にされたら悔しい!
10.見たか! スリップストリームだ!

仮面ライダー剣総括

2014.04.29 (Tue)
先週youtubeで配信修了いたしましたので、仮面ライダー剣の総括でもやってみます。


仮面ライダー剣をオススメできる人


・正統派ヒーロー物とクウガ~555のシリアスな作風の両方が、いい感じに合わさった作品を見たい人
・オンドゥル語に心惹かれた人
・仮面ライダーフォーゼの速水校長が好きな人
・正統派ヒーロー物が見たい人
・熱いヒーロー物が見たい人
・會川昇&井上敏樹脚本のコンビが好きな人
・アニメ版『鋼の錬金術師』が好きな人
・泥臭いアクションが見たい人



仮面ライダー剣をオススメしない人


・白倉伸一郎氏
・米村正二氏
・設定の矛盾が気になる人
・會川昇が嫌いな人
・正統派ヒーロー物が嫌いな人
・CGを使った派手なバトルが好きな人




良かった点


・剣崎一真という男
どんなに傷つこうと血を流そうと辛い目に遭おうと、決して戦いから逃げなかった男。
まっすぐで、強く優しく、そしてカッコよかった剣崎。
序盤こそやや活躍が薄めでしたが、中盤から怒涛の巻き返し。そしてあの最終回・・・。

彼こそ、(私の中では)最高の仮面ライダーでした。


・相川始のストーリー
『仮面ライダー剣』の、真の主人公とも言えるこの人。
その存在は、人と怪物との狭間で変わってゆくことに戸惑い、苦しむ役柄でした。
ですが、それが強さに変わってゆき、人の中で生きようとあがいていく姿は、悲しくも美しくありました。
キャラとしては、「怪物になってしまった人間」を描いた555のオルフェノクの逆をやったわけですが、どちらも魅力的な存在でした。
人の愛を受けた怪物が変わり、その心ゆえに強くなってゆく姿。そんな始の生き方に私は涙を禁じえませんでした。


「本当に強いのは・・・、強いのは・・・! 人の想いだぁっ!!」


・橘さん
ネタキャラでもあり、萌えキャラでもあり、燃えキャラでもあるこのお方。
最初こそ「俺の体はボロボロだ!」など、恐怖心からなる奇行を繰り広げ、迷言製造機としての活躍ばかりでした。
ですが、

伊坂との決戦、桐生レンゲルとの戦い、ギラファとの死闘・・・!

記憶に残る名戦を繰り広げ、決めるときにはキチンと決めるお方でした。
そして、登場人物の中でも、誰よりも皆の事を考えて行動する(そして空回りする)優しくてお人よしでした。
やさしいがゆえに、ボロボロの体を治そうと必死になったり、剣崎を助けようと理解されずとも必死に動いたり、広瀬さんの贖罪を手伝おうとして騙されたり、最後の最後で始の心を信じてギラファと戦ったりしたのです。
そんな愛すべき男・橘さんが、私は大好きです。


・虎太郎と広瀬さんという良脇役
椿隆之さんは仰ってました、『剣崎は仲間の支えがあってこそ』と。
まさしく仰る通りで、この二人がいなければ剣崎は確実に序盤で折れていたことでしょう。
「目の前に苦しめられてる人達がいんのよ・・・。その人たちを救うために戦うしかないでしょ!? それがライダーの仕事じゃないの!?」
「百回人を裏切った奴より、百回裏切られてバカを見た人間の方が、僕は好きだな・・・」

この二人の言葉が、孤独に苦しんでいた剣崎を救ったのでしょう。
もう一度申し上げますが、この二人なくして剣崎一真は戦えませんでした。
こうしたライダーをサポートするサブキャラをしっかり描いたのも、剣の長所と言えるでしょう。


・熱い後半のストーリー
後述いたしますが、記憶に残る回・感動した回は、多くが後半に集中していました。
それだけ、會川昇氏の気合と椿さんや森本さんなどの、役者陣をはじめとするスタッフの本気が詰め込まれているのでしょう。
しかし、その土台を固めたのが今井氏であることも忘れてはなりません。そして、ややグチャグチャになりかけた土台の上を整理した彼と井上敏樹氏の影の活躍もまた然りです。
この三人の力が合わさったからこそ、剣の熱い後半ができたといえるでしょう。


・最高の最終回
私は、この作品の最終回こそ、特撮史上最高レベルの最終回だったと断言いたします。
少なくとも私の中では、初代ウルトラマン最終回・帰マン最終回に匹敵するレベルです。
全仮面ライダーシリーズでも、ブレイド最終回に勝るものはないと、信じてます。
ちょっと偏見入ってますが(笑)






悪かった点

・睦月が脇に追いやられたストーリー
正直に申し上げますと、睦月ってあまり話に必要ないキャラクターです。
ストーリー構成が、前半が橘さんの挫折と復活、後半が剣崎と始の友情にそれぞれ軸を置いている以上、どうしても彼が話の軸になることは難しかったのでしょう。

確かに嶋さんや虎姐とのストーリーはとても良かったです。
しかし、後半の彼は基本的に「最強」言うだけの始たちに吹っ飛ばされる噛ませのガキライダーという役柄が強かったです。
アンデッドとの共存を考えるキャラとしては、確かに悪い話ではありませんでしたが、いかんせん遅すぎたため、踏込が甘かったと言えます。


・序盤のグダグダ
やたら短気でキレてばかりの登場人物達、よく分からない敵の目的、とにかく謎だらけで何が何だか意味不明なストーリー。
剣崎が始にまで八つ当たりしていた時は、さすがにちょっとどうかと思いました。とはいえ、彼も天音ちゃんにはしっかり優しくしてたんですけどね。


そしてオンドゥル語・・・(実をいうとオンドゥル語大好きなんですけど)

もちろん、序盤(1~10話あたり)には虎太郎の名言や剣崎や始の根幹の描写、小夜子など、真っ当な見どころも少なくはないのですが、いかんせん短所が目立ちがちでした。

但し、この辺りは武部直美氏の介入による所が大きいと、宇宙船2005年3月号のご本人のインタビューで判明しております。彼女曰く、今井氏に「もっと謎を~」「もっとライダーバトルを~」とご助言なされたそうです。


・無意味なライダーバトルが多い
平成ライダー一期において、ライダーバトルを嫌う風潮が出来たのはほぼ間違いなく剣とカブトのせいだと思います。
それくらい、無駄なライダーバトルが(特に序盤)多かったと思います。
どうしても展開上必要なライダーバトルは、


・桐生VS橘さん(話の展開上そうならざるを得ない)
・43・44話(敵の作戦の性質上仕方ない)
・序盤の、カリスとブレイド・ギャレンの対立(お互い素性を知らない状態だから仕方ない)
・ジョーカーをめぐるギャレンとブレイド(およびレンゲル)の対決(32話、47話)

くらいでしょうか。
闇墜ちレンゲルとの戦いも、睦月のガキ臭さが抜けず、前前作の王蛇みたいな良い意味での引っ掻き回し役にはなれず、「またかよ・・・」みたいな呆れに近い感覚でした。


・バトルファイトのいい加減過ぎる設定
生物学的には、疑問点の多い設定でした。
戦う動物が哺乳類と昆虫に偏りすぎですし、52種では足りなすぎです。
但し子供番組でそこまで踏み込むと、地味な動物のチョイスになってしまう(カブトのワームは、これをやった故にマイナー生物が多くなってしまった)ので、難しい所でもありますが・・・。
この辺、ジュウレンジャーなどにも通ずる部分がありますね。


・未使用ラウズカードが多すぎる(≒商業作品としての失敗)
この作品で売り上げ(と視聴率)が落ちてしまった。これは認めざるを得ない事実でありましょう。
その原因の一つとして、作中における未使用ラウズカードがあまりにも多すぎた事も原因として挙げられるでしょう。

ハイパーバトルビデオも併せると、作中の未使用カードは各スート毎で以下のカードが挙げられます。

スペード:8(マグネットバッファロー)、10(タイムスカラベ)
ダイヤ:7(ロックトータス)、8(スコープバット)、10(シーフカメレオン)、K(エヴォリューションギラファ)
ハート:8(リフレクトモス)、9(リカバーキャメル)、10(シャッフルセンチピード)、Q(アブソーブオーキッド)
クラブ:2(スタッブビー)、7(ゲルジェリーフィッシュ)、J(フュージョンエレファント)
(*嶋さんと虎姐のカードは、一応劇中で使用したので割愛)

計13枚(ケルベロス、ジョーカー等は割愛しました)

まぁギラファは最後のアンデッドだったので、仕方ないんですけどね。

この点を擁護いたしますと、この頃にはまだ小物(炎神キャストやガイアメモリとか)で売り上げを倍増させる手段はまだ確立されていませんでした。それゆえ、こうしたアイテムを劇中で生かす作劇法も成立していなかった部分が有ります。
ブレイドの失敗も、逆に言えばゴーオンやダブル以降の商業展開に至るまでの試行錯誤の時期にあったといえるでしょう。




総括


序盤こそオンドゥルルラギッタンディスカー! で、良くも悪くも話題になった仮面ライダー剣。
そのグダグダから、バーニングザヨゴと桐生さんの悲劇で一気に巻き返し、後半からは完璧に独自の流れを作ったと思います。
この作品は、クウガ・アギト・龍騎・555の、それまでの平成ライダーの特徴を取り込み、己が物に取り込んでいるところでしょう。


クウガ→剣崎のヒーロー性
アギト→複数ライダーの群像劇、異形ゆえの悲劇
龍騎→カードを使ったバトル、ライダーバトル
555→機械ライダー、怪物と人との間で揺れ動く者達のドラマ


製作者の日笠P曰く、平成ライダーには決まった「型」がなくそれ故クウガやアギトを参考にして作るしかなかったと、苦戦した旨を語っていらっしゃいます。
これは、平成ライダー一期の問題点を端的に表現した言葉でもあります。
確かにクウガ~555はヒーロー物の枠をぶっ壊すことを目的に(アギトはそうでもない気もしますが置いときます)、斬新なストーリーや展開を押し出してきましたが、逆に言えば後に続けるための決まった「型」を後世に残すことには劣っていたとも言えます。
すなわち、長年にわたるシリーズを作るための安定した基盤作りができてなかったと言えます。
それ故、日笠Pも苦心なされたのでしょう。彼は「剣」で平成ライダーのテンプレートを作りたかったのかもしれません。

では、剣の独自性と言うのは何か? 過去作のツギハギだらけなのか?と申し上げますと、そんなことはございません。

剣の注目すべき点、それは911以降に在るべき「ヒーロー」の姿を描こうとした。
これに尽きると思います。

會川氏のインタビューにも掲載されていますが、911以降のヒーローの描き方・在り方は多くのクリエイターの間で議論されていたようです。龍騎や555などの所謂「アンチヒーロー」的要素の強い作品も、そうした議論の一環から生まれた、従来型のヒーローに対する問いかけの意味合いがあったのでしょう。

ですが、「ならば、これからのヒーローはどうあるべきなのか?」という疑問に対する答えとしては、龍騎や555は踏み込みが甘かったと思われます。
しかし、剣ではそれらを踏まえたうえで答えを出しました。
本作の剣崎の「全ての人を、人の心を持った者達を、守り抜くため戦う」生き方は、會川氏が考えていたそれらの疑問に対する、一種の解答とも言えるでしょう。

言ってみれば、龍騎と555で提示した疑問に答えを示した。それが剣の作品としての意義の一つだったように思われます。

更に、後年ウィザード53話で、會川氏は士にこのようなことを言わせました。
「ある人が言った。俺たちは正義のために戦ってるんじゃない、俺たちは人間の自由を守るために、戦うんだとよ・・・!」

これが、會川氏なりの、911以降のヒーローの答えの完成系・もしくは発展系なのでしょう。
ヒーローの問題点を認識しつつも、決して単純な否定をせずにどうあるべきかを模索した。そんなところが、「仮面ライダー剣」が今なお愛される作品として成立している一因なのでしょう。

私も、この素晴らしい作品に出会えたことを感謝しつつ、ずっと語り継いでいきたいと思います。



薔薇社長的な仮面ライダー剣の評価



・アクション:上の下ですね。CG少なめな分、前作前々作と比べるとやや地味に感じます。
・ストーリー:中の上ですね。細分すると、前半(10話くらいまで)が下の上、それ以降が上の中と言ったところでしょうか。最終回は間違いなく上の上です。
・キャラ:上の上ですね。10年経っても、特撮ファンが橘さんを忘れないのは凄すぎです。
・デザイン:上の上ですね。カラフルで動物の特徴も併せ持ったアンデッドのデザインは最高です。

・総合:上の下ですね。ただし、私の一番好きな仮面ライダーはブレイドだと断言いたします。




ベスト5

1.第49話『永遠の切り札』
(上でも書きましたが、平成ライダー史上最高の最終回でした
2.第34話『カテゴリーK(キング)』
(通常フォームでコーカサスを倒したブレイドが熱い! そして、始がカッコいい!)
3.第36話『最強フォーム』
(剣崎のヒーローとしての在りかた、そして平成ライダーの『正義』について示した名回です)
4.第47話『ギャレン消滅』
(橘さん最期の戦い。「この距離なら、バリアは張れないな!」)
5.第42話『レンゲル復活 』
(望美を通じて心境が変化し、最期は自らを犠牲にした虎姐が泣ける・・・)


ワースト5
1.第1話『紫紺の戦士』
オンドゥルルラギッタンディスカー!!な、最悪の第1話。画面暗いし、話がよく分からんし、ナズェミテルンディス!)
2.第5話『過去への挑戦』
(話を聴かない橘さんのせいで、無駄なライダーバトルが・・・)
3.第8話『甦った者たち』
(所長が酷すぎ、橘さんがヘタレすぎ・・・。「だが私は謝らない」)
4.第28話『危険な賭け!?』
(この話自体は普通ですが、後の事を考えるとこの辺で改心させた方が良かったと思います。)
5.第7話『囚われた2号』
(橘さんの態度がアレなのと、恐怖顔が(良い意味で)やりすぎ・・・。但し、虎太郎の名言や融合係数の伏線など、重要な点も有ることは見逃せません)


その他オススメ回
第3話『彼らの秘密…』
(リアルタイムで見て思いましたが、ローカストキックが無茶苦茶カッコいいです!)
第15話『運命の適合者』
(戦闘から必殺技発動までの、静かな流れが凄い。バーニングディバイドは、この時が一番カッコいい!)
第19話『暗黒を征す者』
(桐生さんの、「もっと馬鹿になれ・・・!」と「俺もなりたかったよ、仮面ライダーに」が泣けます・・・)
第23話『運命の適合者』
(ブレイド空を飛ぶ。始と剣崎の仲が深まった記念すべき回でもあります)
第30話『失われた記憶』
たい焼き名人アルティメットフォームに爆笑www)
第45話『新たなカード』
(キングフォームの二刀流アクションが非常にカッコいいです!!)


名言ベスト10


1.俺は運命と戦う、そして勝ってみせる!
2.たとえカードが一枚もなくても、お前を封印できるはずだ! 俺に、ライダーの資格があるなら! 戦えない、全ての人のために、俺が戦う!
3.本当に強いのは・・・、強いのは・・・! 人の想いだぁっ!!
4.百回人を裏切った奴より、百回裏切られてバカを見た人間の方が、僕は好きだな・・・。
5.この距離なら、バリアは張れないな!
6.お前は・・・、人間たちの中で生き続けろ・・・!
7.光と闇に、操られるな・・・。自分の中に両方抱えて、戦いぬけ・・・! 自分との戦いに、終わりはない・・・!
8.もっと馬鹿になれ・・・!
9.俺もなりたかったよ、仮面ライダーに・・・!
10.小夜子ぉぉぉぉっっ!!


迷言ベスト10
1.オンドゥルルラギッタンディスカー!!
2.ウゾダドンドコドーン!!
3.これ食ってもいいかな?
4.俺の体はボロボロだ!
5.俺は最強だー!!
6.スピニングダンス(キリッ)
7.オレハクサムヲムッコロス!!
8.フォ-(0∀0)-ウ!!
9.俺だって人質にされたら悔しい!
10.見たか! スリップストリームだ!


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